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アメリカで小児科。コネなしツテなし、英語も苦手の私が現地小児科を見つけるまで

アメリカ小児科探しイメージ図

アメリカに子連れでやってくれば、避けて通れないのが小児科。普段のちょっとした病気や予防接種、学校入学前の健康診断と出番には事欠きません。よく耳にするのが、前任者からの情報共有や会社のサポートを頼りにしたという話ですが、我が家の場合、前任者なし、会社のサポートなし、日本人が多く住む地域からは離れているため口コミ情報もなしでした。さらに、保険も私達母子は一般的なアメリカの医療保険ではなく、海外旅行者向けの旅行保険。

こうした状態からの、アメリカでのかかりつけ医の探し方、実際の面談、英語力に自信がない場合(そう、私のことですよ…)の切り抜け方について実体験をもとに書いていきたいと思います。

自分の加入している保険の内容を確認

まずは、小児科探しの前に、子どもが加入している保険の内容を確認します。

医療保険の場合

アメリカで医療保険に加入されている場合は、HMOなのかPPOなのか等、違いはありますが、基本的にはネットワーク内の病院を探していくことになります(なお、病院はネットワーク内でも、そこに勤務する医師のネットワークが別のネットワークで保険でカバーされなかったという話も聞くので、個人経営とかではない、やや大きめの病院を受診する場合には注意が必要です)

HMO、PPOについてはこちら

海外旅行保険の場合

海外旅行保険(日本国内で加入したもの)に加入されている場合は、基本的には、疾病や傷害で受診する限り(※1)、どこの病院を受診しても自己負担はゼロで、ネットワーク内ならばキャッシュレス診療が可能、ネットワーク外の場合は一旦立て替えの上、後日保険会社に請求払戻、という流れのものが多いかと思います。

保険会社に問い合わせると、キャッシュレス診療が可能なネットワークを教えてもらえるので、こちらも基本的にはネットワーク内の病院を探していくことになりますが、近隣にネットワーク内でよい病院がない、すごく良さそうなところがあるけどネットワーク外、という場合には、立替が苦にならないならばネットワーク外も選択肢に入ってくるかと思います。

なお、海外旅行保険の場合は、海外で発症した疾病や傷害で受診した場合に、その医療費がカバーされるという性質のものなので、基本的に予防的な治療や面談費用、健康診断、診断書発行費用等はカバーされません。

ですので、必ず初回のアポイント時に、自分が加入しているのは海外旅行保険(travel insurance)であること、保険でカバーされるのは疾病や傷害の治療費のみであること(面談費用や健康診断等の費用はカバーされないこと)、を受付の人に伝え、費用の概算額を聞いておくことをお勧めします(このやり取りで実際に私が使用した表現も下で一緒に掲載しました(この程度でいいんだ!と自信を持って下さい。)

私の場合は、初回の面談と健康診断、保育園に提出する健康診断書の発行をお願いし、事前に伝えられていた概算額が$250、実際に窓口で請求されたのが$220でした(マサチューセッツ州郊外の地元小児科。個人経営)。

小児科候補の探し方

ネットワークの縛りがある場合

この場合、まずは保険会社に問い合わせて、ネットワークが利用可能な近隣の小児科のリストを教えてもらうことになります。そして教えてもらったリストから小児科を選定していくという流れです。

ネットワークの縛りがない場合

地域名、pediatoricsで、Google検索

直の知り合いからの口コミ情報があればそれが頼りになりますが、そうでない場合、やはり頼りになるのがグーグル検索。地域名とpediatorics(小児科)というキーワードで検索すると、トップページに地図と共に小児科が表示されます。

この方法で上手くいかない場合には、Googlemapを自宅周辺に合わせ、pediatricsで検索すると、表示範囲内に存在する小児科が表示されます。何も表示されない場合は、今表示されている範囲内には小児科がないということなので、地図をスライドさせて同じように検索、良さげなところをリストアップしておきます。

選び方、重視したいこと

人柄を大切に選ぶ

いくつか目星がついたら、いよいよ選定作業。私は人柄を最重要視しました。

というのも、普段のちょっとした風邪等の場合、自分の子どもの症状に関しては親の勘の方が正しかったりもしますよね。日本に居た時も、先生は「風邪の引きはじめですね~」と仰っても「念のため耳も見てもらえますか?中耳炎なりやすいんです…」と診てもらうと「あ、中耳炎なってますね。抗生物質出しましょう」というやり取りはザラでした。これは先生が悪いわけじゃなくて、普段の生活で小児科にかかるような症状ってそんなものだと思うんです(親がきちんと伝えないと正確に診察できないというか)。

勿論、医学について難しいことは私達は素人ですし、難病の類には対処不可能です。外科的な手術なら、先生の人柄云々よりも技術力重視かもしれません。

しかし、いわゆるホームドクター、かかりつけ医としてお願いする診療の場合は、外国人で英語も堪能でない私の話に耳を傾けてくれるか、私が先生に現在の懸念点を伝えた場合にも快く取り合ってもらえるか、が私にとっては一番大切だったし、今もそれでよかったと思います。

参考材料~口コミ、電話対応

じゃあ、どうやって事前に人柄を見るのか、ですが、参考になるのはグーグルマップやグーグル検索の際に出てくる☆と口コミの評価です。そういったものに頼れない場合には、電話をかけた際の受付の対応が参考になりますし、口コミが良くても電話してみるとアレ?という場合もあります。

高評価と低評価が混在している場合

口コミ評価は、☆5つなら万々歳ですが、低評価と高評価が混在している場合もあります。高評価レビューには先生の人柄、そこでの医療体験がいかに素晴らしいものだったかが綴られていることが多いです。一方低評価レビューは様々なものがあります。そこで、このように高評価と低評価が混在している場合は、低評価のレビューを下記の点に気を付けながら熟読し、判断材料にしました。

①正当な怒りに基づくものと思われる場合(明らかな誤診、差別的な扱いを受けた等)

この場合は、小児科候補リストから、当該小児科を外します。

②怒る気持ちも分かるけど状況的に致し方ないよ…というものの場合

例えば、娘が38度の熱で受診しているのに4時間も待たされた!!!とかですね。大病院の場合の口コミでありがちな低評価クレームです。たしかに、待たされずにスムーズに受診できればそれが一番。でも、日本とは医療制度も違うアメリカ。勿論、親としてイラついたり、もうちょっと気遣ってくれたっていいんじゃない?と思いたくなる気持ちも重々分かるのですが、リストから外すほどのクリティカルな理由ではないと判断し、この場合は、私はリストにはそのまま残し、備考欄にメモを残しました。

③モンスタークレーマー的なクレームの場合

この場合はこの口コミを参考資料から外します。あまりにも言葉遣いが汚かったり、他のお店の口コミも苦情ばかりといった場合は、モンスタークレーマーである確率が高いと判断しました。

電話をかけた際の対応

電話をかけた際の対応は、同じ小児科といえど、病院によってびっくりするほど違ったりします。たとえ英語が苦手でも、最低限の礼儀を弁えてはっきりゆっくりと話せばそれなりの対応をしてくれるもの。そうでなければ、そこは合わないか、止めた方がよいと割り切るのも一つです。勿論、診察してもらうのは医師の先生ですが、アポイントを取ったり、支払いをしたり、保険について説明をしたり…、受付の人と交わすやり取りは多いです。

目当ての病院が決まったら…第一の難所~電話

最低限伝えたいのはこの3点

目当ての病院が決まったら、まずは電話でアポ取りです。正直、何を言っているか分からない箇所が沢山あります。もうね、一朝一石付け焼刃じゃどうにもなりませんよ…トホホ。

なので、自分は英語が得意ではないこと、そのために不便をかけて申し訳ないこと、自分が伝えたいこと(この電話で獲得したいゴール)、の3点だけに絞ってそれを言い続けることにしました。なお、自分が伝えたいことを伝えるにあたっては、アメリカと日本の制度の違い(生まれたときからかかりつけ医がいるのが当たり前の環境とそうでない環境。また通常の医療保険なのか、旅行保険なのか)を意識して作文しておくことで、行き違いをなくすことに役立ったと思います。

私が実際に使った表現

以下では、私が電話でのアポ取り、状況説明で使用した英語を恥ずかし気もなく掲載します。こんな英語でも通じるんだ、この程度でいいんだ、と自信を持って下さい。

①こんにちは。私は〇〇です。私には3歳の娘がいます。

Hello.This is 〇〇. I have a 3-year-old daughter.

②先月日本からアメリカにやってきました。英語の聞き取りとスピーキングが得意ではないです。ご迷惑をおかけしてすみません。

I came to the U.S. from Japan. I’m poor at hearing and speaking english. I’m sorry for your inconvinience.

③今は〇〇(地名)に住んでいます。娘のためにかかりつけの小児科を探しています。

I live in 〇〇. I’m looking for the familiy doctor for my daughter.

④アポイントメントを取ることはできますか?

Can we get an appointment ?

ここで、出来る、出来ないの回答に際し、保険について聞かれると思います。

⑤私達の加入している保険について説明させて下さい。

Let me explain about our insurance.

⑥私達の加入している保険は、AIGの海外旅行者保険です(なるべく会社名等を使いつつ具体的に言うと良いです)。〇〇(例:hygeia)のネットワーク内ではキャッシュレスで診察を受けることができます。〇〇以外のネットワークでは一旦立て替えの上、後日保険会社から払戻を受けることができます。キャッシュレスか否かの違いはありますが、私達はすべてのネットワークの病院を受診することができます。

Our insurance is 〇〇(AIG) oversea travel insurance. In 〇〇(hygeia )network, we can see a doctor cashless. outside 〇〇(hygeia) network, we need to pay the bill temporary, and we can refund it from AIG later date. Though there is a difference whether cashless or not, we can go to all the hospitals and see all doctors.

保険の種類が海外旅行保険だと言うと、受付の人は、海外旅行保険?旅行者なの?旅行者が何でかかりつけ医?と疑問でいっぱいになるので、居住していること(向こう〇年はここに住む予定であること(ゆえにかかりつけ医を探していること)を粘り強く伝えましょう)

We live in 〇〇. and we are going to live here for 〇〇years.

⑦海外旅行保険では病気とケガの治療のみカバーされ、それ以外の費用(例えば予防的な医療や健康診断費、面談費)は自己負担です。面談費用はいくらですか?

Our insurance(AIG oversea travel insurance) covers only illness and injury. Other expences, for example preventative medical treatment, fisical exam fee and appointment fee , are not be coverd. How much does it cost for doctor’s appointment?

⑧住所は〇〇、電話番号は〇〇、娘の生年月日は〇〇です。

my address is 〇〇、phone number is 〇〇、my daughter’s birthdate is 〇〇

⑨英語が下手で迷惑をかけてごめんなさい。あなたの親切な手助けに心から感謝しています。ありがとう。

I’m sorry for your inconvenience because I can’t speak and hearing english well. I’m really grateful for your king help. Thank you.

先生と面談

スマホ必携!グーグル翻訳マジ神!!!

アポイントの日付が決まれば先生との面談です。予防接種の英訳を持ってきて、等事前に持ち物の指示があるのでそれに従います。

先生との面談では、名前や生年月日、生まれたときの体重等について聞かれますが、基本は一問一答形式で、答えもyes、no、もしくは一語で答えられるような質問でした。

たまに聞きなれない単語が出てくることもありますが、その場合に役に立つのがグーグル翻訳です。英語の欄に、今問題の単語または文章を入力してもらい、日本語に変換すれば一発。細部の翻訳は不自然な場合もありますが、先生の言わんとしていることは分かる程度の訳は必ず出てきます。

スマホのグーグル翻訳画面を見せながら、

could you enter the word ?

と言って問題の単語を入力してもらいましょう。

また、逆もしかりで、伝えたいことがあるけど単語が…みたいな場合にも、Google翻訳は便利です。日本語で単語を入力して、英語に変換!これで一発。便利な時代になりました。

症状が複雑な場合は、ペーパーや写真を持参すると吉です

うちの娘はアレルギー持ちなので、予防接種の英訳に加え、時系列に沿って症状をまとめた手書きの表と症状が出たときに撮影した写真(といっても娘のアレルギーは赤ちゃんの頃がメインだったので、かなり昔のもの)を作って持参しました。

「昔はアレルギーが酷かったけれど、今は滅多なことがなければ問題ない」「症状が出たときはこんな感じ」等、説明が難しいことも時系列表があるだけで状況の把握がしやすくなりますし、写真もあれば症状が一目瞭然で伝わるのでオススメです。

面談時間は30分~1時間ほど

初回の面談、我が家の場合は健康診断と診断書の発行もあったことから正味1時間ほどかかりました。

先生が雑談好きな場合、先生との世間話というのも地味な難所ですが、先生もその場の空気を和ませようと話してくれているので何とか応じたいもの。

先生が旅行好きな方で、娘の健康診断中の雑談の95%は日本の観光地についてでした。先生がPCの画面に自分で撮影した名所旧跡の写真を出して見せてくれるので、早押しクイズの如く、写真が切り替わった瞬間にその有名観光地の名前を英語で叫ぶ「oh! Heian shrine!」(その後は、先生が喋ることにoh!yes!exactly!のみw…)で何とか会話(会話なのか…というのはさておき)乗り切りました。もっと普通に楽しく会話ができたらな…と若干の情けなさ、悔しさを感じながら、感謝の言葉だけはしっかり伝えて帰ります。

I’m sorry for your inconvenience because I couldn’t speak and hearing english well.I really appreciate for your kind help.

おわりに

たとえ嫌な思いをすることがあっても、自分を責めないで

さて、長々とこうすれば良いよ!なんて若干上から目線も入りつつ書いてしまいましたが、いろいろ準備をしても嫌な思いをしてしまうこと、あるかと思います(いざ行ってみたら最悪の小児科だったとか。私は国内ですが歯医者でこの体験ありです…)。そんな時、もっと良いところを探してあげられていたら…とか、いろいろと凹んでしまうと思うのですが(特に、自分のことならさておき子どものことだと)、どうか自分を責めないで下さい。すごい凹むけど、それはお父さんやお母さんのせいではないです。事故にあったと思って、嫌な思いをしたところは綺麗さっぱり忘れて、どうか次の小児科へ電話をかけて下さい。笑っちゃうくらい対応が違ってびっくりしたりします。

長文、乱文で読みにくくなってしまいましたが、アメリカでの小児科探しの参考に少しでもなったら幸いです。最後までお読み下さり有難うございます。