ボストンは公共交通機関が非常に発達した街です。筆者も地下鉄・バス共に子連れで利用しています。今回は、現地在住子持ち主婦の目線から、気になる治安や料金、路線図、改札の通り方や切符の買い方、ベビーカー対応やエレベーターの有無などについて、写真を多く交えながらお届けしたいと思います。
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ボストンの地下鉄・バス(MBTA)
MBTA
ボストンの地下鉄・バスはMBTA(MassachusetsBayTransportationAuthority)によって運営されています。MBTAは地下鉄・バス以外にも、Commuter Railという郊外向けの特急(地下鉄とは別の料金体系で原則としてチケットも別)とフェリーの運航も行っています。
路線図
ボストンの地下鉄・バスは非常に発達しており、こちらの路線図(バス路線図はこちら)のようにボストンの主要スポットを網羅しています。ボストンでは、市内の駐車場所の制約等も手伝ってか、公共交通機関はけして貧困層のためだけのものではなく、学生からビジネスマンまであらゆる人の生活の足となっています(郊外の住宅地に居住している場合でも、職場にそのまま車で通勤するのではなく、最寄駅まで車で行き、そこからは地下鉄というパターンが少なくありません)。
なお、余談ですが、便宜上(MBTAの表記上もsubway)地下鉄と言っていますが、レッド・オレンジ・ブルーラインは地下鉄、グリーンラインはチンチン電車、シルバーラインはシャトルバスのイメージが一番正確です。
シルバーラインは、一部区間で地下トンネルを通過することから便宜上subweyとされている模様です。豆知識ですね♪
なお、日本では新幹線や地下鉄のおもちゃがありますが、こちらボストンでもMBTAの車両のおもちゃがあります。
時間の正確性
日本の公共交通機関がいかに素晴らしいかという文脈で「海外の公共交通機関の時間はアテにならない。2-3時間遅れなんてザラ。」なんて話を目にしますが、ボストンに関しては利用する上で著しく不便を感じることはありません。
元々の運行スケジュール(時刻表的なものは目にすることがないので、内部的に決められているスケジュール)からはズレることは多々あるようですが、
- GoogleMapとの連動がしっかりしていること
- 元々の表示が「あと何分でホームに到着するか」という表示基準であること
- それなりの本数が運行されていること
から、旅行や実際に日常生活を送る分にはそこまで困ることはないです(通勤通学にバスを利用する場合には、到着時間との関係でスケジュールのタイト感が増すので、ストレスを感じることが状況によってはあるかもしれません。留学・駐在で家探しをされている方は注意して下さい)。
天候
ボストンに来て驚いたことの一つに、東京なら公共交通機関が大混乱するような雪の日でも電車バス共に普通に動いていることがあります。在住歴の長い方に聞くと、外出禁止令が出るほどの雪嵐のような日にはさすがに運転間隔も変わったりダイヤに大幅な乱れが生じるようですが、それ以外の日は、時刻表からのズレはあれど通常通り運行されています(除雪車等も夜明け前からフル稼働で、さすが雪が当たり前の地方だなと感じました)。
2020年の特記事項~メンテナンス・折り返し運転に気を付けて
MBTAでは現在線路のリニューアル工事を行っており、一部の路線について「金曜夜から日曜まで」「平日20時以降」等限定を設けた上で折り返し運転が実施されています。具体的にいつ頃どの路線で工事があるかについては、こちらのリンクから確認することが可能です。折り返し運転になっても、地下鉄に代替する臨時バスがチャーターされるので、どうしようもなく不便とまではいきませんが、ご旅行等で立ち寄られる方は、是非出発前に確認してみて下さい(なお、メンテナンスによる折り返し運転の情報もグーグルマップに反映されているので、基本的にグーグルマップの指示に従っていけば問題なく目的地にたどり着くことができます)。
治安
気になる治安について。
地下鉄について
海外の地下鉄=危険!というイメージがありますが、ボストンに関しては、車内で寝ないこと、行ってはいけないといわれている地域を避ける等、最低限の注意さえしていれば安心して乗車することができます。筆者も3歳の娘を連れて親子で日常的に利用しています。
ネットの情報では、オレンジラインは危ないという情報も出ているようですが、筆者が居住しているのはオレンジライン沿線北部ですが、他の沿線に比べて危険だと感じたことはありません。日本人が多く居住するグリーンライン沿線ブルックラインに比べると日本人の数は少ないですが、日本人も実はそれなりに居住しています。最近開発が進むアッセンブリーも、アウトレットモールの上は高級マンションになっています。
オレンジライン沿線には、Roxberry crossingというガイドブックに危険だと書かれている地域が確かにありますが、その手前のRugglesという駅はノースイースタン大学のキャンパス内にあり、昼間は学生さんが多数利用しています(夜間は危ないという情報も出ており油断は禁物ですが、昼間に関しては大学構内にある、学生だらけの賑やかな駅という印象です)。
もちろん、ここはアメリカ、昼間と夜の雰囲気はガラリと変わりますし、昼間はのどかなボストン公共庭園で強盗被害に遭ったという話もあるにはあるので、何事も油断は禁物ですが、昼間の時間に最低限の用心をして利用する分には大丈夫というのが在住者としての実感です。
なお、ごくごく稀にですが、主に乗降客の多いエリア(downtownやhaymarketなど)の車内で物乞いをする人に出くわすことがあります。基本的に目を合わせないようにしていれば、それ以上は関わっては来ません。
99%の人はフレンドリーで温厚、子連れで乗車していると人の温かみを感じることも多いボストンの地下鉄ですが、こういったこともゼロではないので、子連れの方は特に昼間の乗車人数がそれなりに居る時間帯での利用がオススメです。
バスについて
バスについても、行ってはいけないと言われている地域を念のため避けてさえいれば、治安という面では、安心して乗車できます(筆者は子連れで娘と二人よく乗車していますが、現地の方もベビーカーなどで乗車している方が多くいます)。日本に比べると、多少(かなり?)運転は荒めなのでそこだけ注意が必要です。
料金
こちらの記載を元に、料金を表にまとめました。(2020年1月20日現在)
地下鉄 | バス | 地下鉄→バス | バス→地下鉄 | バス→バス | |
チャーリーチケット(カッコ内学生・シニア料金) | $2.90($1.10) | $2.00($0.85) | $2.90($1.10) | $4.90 | $2.00($0.85) |
チャーリーカード(カッコ内学生・シニア料金) | $1.70($1.10) | $1.70($0.85) | $1.70($1.10) | $2.40 | $1.70($0.85) |
現金(カッコ内学生・シニア料金) | $2.90 | $2.00 | $4.90 | $4.90 | $4.00 |
パス | |
1日パス(1-Day Pass) | $12.75 |
ウィークリーパス(7-Day Pass) | $22.50 |
マンスリーパス(Monthly LinkPass) | $90.00 |
- 表のように、チャーリーチケット、チャーリーカード、現金、パスいずれかによって料金が変わってきます。
- チャーリーチケットとは、駅に設置されている券売機で買えるチケット(日本でのイメージだと切符)です。
- チャーリーカードは、SuicaやPasmoのようにチャージして使うことのできるカードです(入手方法は下記)。
- パスは、駅に設置された券売機で購入することができます。
- 乗り換えは最初の改札にタッチした時から2時間以内にする必要があります
- 子ども料金は大人同伴の場合11歳以下は無料
- シニア料金は65歳以上から適用
- パスの特記事項としては、マンスリーパスは購入日から1か月ではなく、暦上の一カ月(2月のパス、3月のパスというように購入月の末日まで有効)であることに要注意です。
- パスの場合、地下鉄・バスの全線に加え、下記の路線の乗車料金も含まれています。Commuter Rail Zone 1A
Charlestown Ferry
チャーリーカードの入手方法
チャーリーカードは、駅の券売機では購入できません。入手方法は大きく分けて2つです。
1.チャーリーカードストアへ行く
最もオーソドックスかつ確実な方法です。チャーリーカードストアの場所は、こちらのリンクをご覧ください。downtown crossingのストアが一番アクセスはしやすいかなと思います。
2.駅員さんにもらう
確実性は保証できませんが、駅員さんに「Where can I get Charlie card ?」と聞くと、運が良ければ駅員さんが持っているストックをその場で貰えます。
乗り方ガイド
地下鉄の場合
チケットの買い方
クレジット決済の際はこちらにカードを通します。
改札の通り方
車両の乗り方
車両の乗り方の注意点としては、
- 冬場はドアが閉まっていることがあります(特に始発駅)。その場合は空いたタイミングで乗車して下さい(車掌さんが定期的に開けているようです)
- グリーンライン、シルバーラインはバスの車両のような構造(シルバーラインはバスそのもの、グリーンラインはバスが複数連結されたチンチン電車のイメージです)なので、乗車時に階段、段差があります。
改札の出方
出る際は、カードやチケットをかざす必要はありません。改札前まで行くと自動的にドアが開きます。
エレベーター事情
東京の地下鉄ではエレベーターがなく困ることも多かったのですが、ボストンではほとんどの駅にエレベーターが整備されており、車いすやベビーカーに優しいと感じます(公式サイトでは、ほぼすべての駅がaccessibleとなっているので、例外的に整備されていない駅もありますが、アクセシビリティの対応については、個人的な感想ですが日本より進んでいると感じました)。
海外だとエレベーターが暗くて異臭がするということも多かったのですが、ボストンではそのように感じることもありませんでした。
バスの場合
前金制(乗車時に運転手さん横の機械にタッチ)
バスの場合は、乗車時に運転手さん横の機械で精算を行います。チャーリーカードやチャーリーチケット、パスを事前に駅の券売機で入手している場合にはそれを機械に挿入(もしくはかざして)精算します。日本のバスと同じく、現金精算にも対応しています。
降りたい停留所の前でStopRequestボタンを押す
ボストンのバスの注意点としては、日本のようにすべての停留所に止まってくれるわけではないということです。停留所に待っている人がおらず、Stop Requestも押されない場合には、もうスピードで停留所をスルーされてしまうので、慣れないうちはグーグルマップの現在地情報とにらめっこしつつ、一つ前の停留所(グーグルマップに停留所も小さな〇で表示されています)を通過したタイミングでStopRequestボタンを押しましょう。
座席によっては、日本のバスの停止ボタンのような分かりやすいTHEボタンというボタンではなく、写真のようなゴムのテープ状の物体が、StopRequstボタンになっています。テープ状の部分を強く押すと、停止ボタンと同じくStopRequestを出すことができます。
まとめ
以上、ボストンの地下鉄・バスについてでした。ボストンは見どころ満載で楽しい街です。是非地下鉄やバスを乗りこなして観光や日常生活を楽しんで下さい。
最後までお読み頂き有難うございます^^