0歳の時から食物アレルギー持ちの我が家の娘。今回の渡米にあたり大きな心配の一つが、娘の海外旅行保険。というのも、事前のネットリサーチで「既往症は保障の範囲外、かつ食物アレルギーも既往症に当たる」という情報を目にしていたからです。結果的には引き受けてもらえるプランに行き当たることができましたが、やはりそこは一筋縄では行かず…正直、大変でした(^^;。
というわけで、今回は同じように食物アレルギー持ちの親御様向けに、既往症の範囲や保障内容の違い、申込時のやり取りについて書きたいと思います。
なお、ここでの記載は、2019年9月頃のやり取りを元にしたものであり、保険のプランは変更される可能性もあります。また、食物アレルギー自体、症状の内容や出方に非常に幅があり記載の難しい内容です。実際に保険に申し込まれる際は、一度必ず保険会社や代理店の担当者に症状を説明の上、引き受け可能か否か、可能としてどういった申告内容の記載が必要かを事前に確認されることをおすすめ致します。
Contents
食物アレルギーは既往症に当たるのか
引受元保険会社へ問合せ
今回の渡米にあたり、私達はJALファミリークラブのJAL海外赴任者総合保障制度オプションプランとして提供されている、海外旅行保険(引受保険会社はAIG)への加入を検討していました。そこで、まずは代理店であるJALUXへ問合せ。食物アレルギーが既往症に当たるか否かについて、JALUXでは回答しかねる(確かにそうだ…)とのこと。代わりに引受元であるAIGの担当部署の連絡先を教えて頂き、担当者の方に直接伺うことができました。
ざっくり言えば答えはイエス。では、どこまでが既往症?
保険会社の担当者に聞いた
AIGの担当の方の回答はこうでした。
とりあえず引受けてもらえるところがあるという安堵感でAIGの担当の方に後光が射して見えました(電話だから見えてないけど)。
具体的にこんな場合はどうなる?
さて、既往症の告知にあたっては、現在においても医師の診察を定期的に受けている食材か否かというのがとても重要、ということ。
この基準に照らして私が娘の食物アレルギーの申告をするにあたり、この場合はどうしたらいいのかな?と担当の方に確認をとった点をご紹介します。
昔症状があったが今は全く症状のない食材、怪しそうだけどまだ食べたことがない食材
ただ、食物アレルギーっ子をお持ちの親御様ならお分かり頂けるかと思うのですが、食物アレルギーにも変遷があったり、またアレルギー体質ゆえに未知の食材でアレルギーが出るのではないかという不安が常に付きまといます。
例えば、「1歳の時は卵で全身に湿疹が出て定期的に通院をしていたけれど、3歳の今は卵を食べても何ともない。代わりにエビには今も強いアレルギーがあり定期的に経過観察のため通院中。蕎麦はまだ食べたことがない」とか。
この場合、卵については、現在症状も出なくなっていて医師の定期的な診察を要していないので既往症として申告不要。エビについては、現在も医師の定期的な診察を要するので既往症として申告が必要。蕎麦については現時点で症状がないので既往症として申告不要。となるわけですね。
そして、もし仮に海外で、例えば今まで食べたことがない蕎麦を食べて食物アレルギーを発症した場合、それに伴い発生した治療費用はちゃんと保険でカバーされる(但し予め設定された金額の範囲内)。
というわけです。
血液検査では高い反応が出ているけれど、症状はない場合
アレルギーっ子にはおなじみ?の血液検査。アレルギーがありそうな食材、対象物を指定して抗体検査してもらうのですが、この抗体価というのが曲者で、ものすごく高い数値が出ていても全くもって症状がない、というようなことが普通にあります。
我が娘も何度か血液検査をしたことがあったので、こうした検査では高い抗体価が出ているが症状としては無症状の食品、対象物についても申告の必要があるのか、念のため確認しました。
その結果、やはり、現在定期的に医師の診察を必要としているか否かというのが判断基準としてとても重要で、つまりは検査の結果等を総合して、医師が通院が必要な状態と判断しているか否か、が判断の要になるとのことでした。あくまでも、検査の結果等を総合的に判断して、医師自身が通院の必要があると診断し、現在も通院しているか否か、というのが基準ということでした。
私の娘の場合は、現在医師が定期的に通院の必要あり(トーンとしては、お母さんが心配ならいつでも連れてきて下さいね♪といった感じで、数か月に一回お守りの頓服(ザイザルシロップ)を頂きに行く程度ですが)と言われているのは、ナッツ類のみだったので、ナッツ類のみの申告となりました。
以上の内容は、私が口頭ベースで一つ一つ担当者の方に確認した内容になりますが、保険の既往症の申告はもし誤りがあった場合、実際に保険の請求をすることになった際にきちんと保障が受けられなくなってしまうかもしれない程センシティブなものです。ですので、我が家のように既往症に該当するアレルギーをお持ちの方は、必ずお申込み前に、引受保険会社に問い合わせ、症状を説明の上告知の方法、注意点などについてご確認下さいますようお願い致します。
但し加入できるプランには保障額の制約あり
娘にも加入できるプランがあると喜んだのも束の間、保障金額は通常のプランと異なることも明らかになりました。
海外旅行保険でよくあるプランが、治療費用は無制限というもの。JAL海外赴任者総合保障制度のオプションプランも、パンフレットに掲載されている通常のプランはいずれも治療費用は無制限にカバーされるものです。
しかし、娘のようにアレルギーといった既往症持ちの場合、治療費用の保障は上限2000万円までとなるとのこと。いざとなったら日本に帰国してくればいいと思えば十分な金額ですが、無制限とはいかないのね…と少し心細く思いました。まあ、こういった保険自体、いざという時のお守りのために入るものなので、何事もなく(保険の請求をするような事無く)帰って来られるのが一番。もしもの時の医療費がとんでもなく高額なアメリカ。加入できるだけ有難いと思うことにしましょう。
なお、保険料はアレルギー持ちだから割高になるのかと思いきや、保障上限額が低く設定されているためか、若干お安くなりました。
既往症持ち向けのプランはパンフレットに掲載されていないことも
さて、今回娘が加入したプランですが、こちらJAL海外赴任者総合保障制度オプションプランのパンフレットには掲載されていないプランになります。当初それを知らずに、AIGの方に「引き受け可能」と聞いて一安心。出国日が決まってから申込をしようとそのまま放置し、ギリギリのタイミングでJALUXに申し込みをするも、「既往症持ちの場合当プランの引き受けはできません」と言われ一瞬真っ青に…という出来事がありました。
先に種を明かすと、問合せの回答でAIGの担当の方が言っていたのは、パンフレットに載っていない既往症持ちの人向けのプランについてで、私が申込をしたのは既往症のない人向けのプランというわけです(てっきりパンフレットのプランについて話しているとばかり思っていました…)
JALUXの担当の方に事情を説明し、AIGに連絡を取って頂き、無事今回の加入に至ったわけですが(食物アレルギー持ちは、全体から見たらレアケースですから仕方ないですね。JALUXの担当の方もAIGの担当の方もとても丁寧に対応して下さいました)、パンフレットに載っていないプラン、なるものの存在があることも今回初めて知りました。
これから既往症持ちのご家族の海外旅行保険をお探しになる方は、パンフレットに載っていない場合も代理店や引受元保険会社に一度相談してみられると良いかと思います。
まとめ
以上、食物アレルギー持ちの娘の海外旅行保険加入の可否、告知内容、保障額の制限についてでした。まとめると、
・食物アレルギーがあっても加入できるプランは存在する(パンフレットには載っていないことも)
・アレルギーについては既往症として告知が必要。既往症として告知が必要か否かの基準としては、現在も医師の定期的な診察を必要としているか否か
・保障額は、無制限とはならず2000万円程度に制限されることが多い
アレルギー持ちの子どもを連れての海外は、何かと不安がつきもの。保険の請求をするような事態が発生することなく帰国できるのが一番ですが、もしものときのお守りとして海外旅行保険があると安心です。アレルギー持ちのお子様を持つ親御様の参考になったら幸いです。